第3回水環境制御研究センターシンポジウム
「地下水・土壌汚染の現状と対策」

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開催記録

年末の多忙な中に開催したにもかかわらず、山上会館大会議室のキャパシティーぎりぎりである150名の参加があり、土壌・地下水汚染に対する関心の深さが伺えた。君津市の鈴木先生からは、君津市内のTCE汚染サイトで行われたバイオレメディエーションの現場実証試験についてご講演いただき、地理学的、生物学的、さらにはPublic acceptanceの取得といった社会科学的な側面についてのお話を頂いた。群馬高専の青井先生からは、降雪雨が河川水の窒素汚染のソースとして寄与するという研究をご紹介いただき、利根川流域における窒素濃度の実測結果より他の自然河川より高濃度であること、またその原因として首都圏の大気汚染が考え得ることを示唆された。和歌山大学の平田先生には、地下水の硝酸汚染について広くまとめていただき、日本における窒素のマスバランスから考えれば、硝酸態窒素汚染はむしろ大きくなる傾向にあることや、各種対策技術についてご講演いただいた。また、当センターからも3件発表を行った。矢木教授がバイオレメディエーション技術について現状をまとめるとともに、これまで行ってきたTCE汚染のバイオレメディエーション技術について紹介した。篠原研究員より活性汚泥における硝化をより効率的にコントロールすることを最終目的とした、アンモニア酸化細菌の研究について、検出法や解析法、下水処理場の調査結果など現状を報告させてもらった。また国包客員教授から、国内の水道水における窒素汚染の現状とその対策技術、事例紹介を通して、今後の硝酸態窒素汚染に対する対策を議論させて頂いた。総合討論でも活発な議論が交わされ、懇親会でも和やかながらあちこちで議論が引き続いているようであった。


■期日:2001年12月17日(月)13:00-17:00

■主催:東京大学大学院工学系研究科附属水環境制御研究センター

■会場:東京大学山上会館 2階大会議室 (東京都文京区本郷7-3-1 東大本郷キャンパス内)

■参加費:無料 (懇親会は4,000円頂戴いたしました)

■問合せ先:sec-recwet @env.t.u-tokyo.ac.jp、Tel 03-5841-7445 (栗栖、青木)
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プログラム

13:00 - 13:10 開会の辞
大垣眞一郎 水環境制御研究センター長


13:10 - 13:40 「バイオレメディエーション技術の現状と今後の展望」
矢木修身 水環境制御研究センター教授


13:40 - 14:10 「バイオレメディエーション技術の現場実証試験」
鈴木善計 千葉県君津市環境部

 

14:10 - 14:40 「活性汚泥中のアンモニア酸化細菌の検出」
篠原優子 水環境制御研究センター 研究員


14:40 - 15:00 休憩


15:00 - 15:30 「水道水の窒素汚染の現状と課題」
国包章一 水環境制御研究センター客員教授


15:30 - 16:00 「利根川上流域の降雪雨の河川水中窒素濃度に及ぼす影響」
青井透 国立群馬工業高等専門学校


16:00 - 16:30 「地下水の硝酸汚染と対策」
平田健正 和歌山大学システム工学部教授


16:30 - 17:00 総合討論


17:30 - 19:00 懇親会