本シンポジウムでは水環境中の医薬品類の挙動をテーマに、メーカーをはじめ様々な研究機関等から講師を招き、最新、最先端の研究内容を講演した。はじめに製薬メーカーを代表して錦見氏より医薬品の開発、製造、廃棄過程におけるメーカーの管理、処理への取り組みについてお話をいただいた。続いて山本氏から水環境中の医薬品類の微量分析方法の総括と今後の展望を、高田先生より水環境中に存在する医薬品類の種類、濃度分布、分解挙動について数年来の詳細な研究成果が示された。鈴木先生から下水処理過程における医薬品の除去についての発表をいただき、オゾンによる高度処理が医薬品類の除去には効果的であることが提案された。浦瀬先生には水処理での除去メカニズムと医薬品に関する有効な処理方法のまとめをいただいた。総合討論では活発な議論をもとにセンター教授の古米から今後、医薬品類の生態系の影響評価を含めて医薬品類の排出や除去に関する研究をメーカー、研究機関が協力しながら着実に展開することが環境中の医薬品類の動態を理解し、管理制御するのに必要となるとまとめられた。
■期日:2006年12月14日(木)13:00-17:15
■主催:東京大学大学院工学系研究科附属水環境制御研究センター
■会場:東京大学工学部14号館 都市工学講義室1階141講義室
■問合せ先:sec-recwet @env.t.u-tokyo.ac.jp、Tel 03-5841-7445 (栗栖、青木)
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13:00 - 13:10 開会の辞
影山 和郎 大学院工学系研究科副研究科長
13:10 - 13:40 「製薬メーカーの環境問題への取り組みの現状と今後」
錦見 端 ファイザー株式会社
日本製薬工業協会 環境安全委員会副委員長
13:40 - 14:10 「国内外における医薬品類の分析方法」
山本 敦子 (独) 製品評価技術基盤機構化学物質管理センター
14:10 - 14:40 「水環境中における医薬品類、抗生物質の挙動」
高田 秀重 東京農工大学助教授、水環境制御研究センター客員助教授
14:40 - 15: 10 休憩
15:10 - 15:40 「下水処理過程における医薬品類の挙動」
鈴木 穣 (独)土木研究所上席研究員
15:40 - 16:10 「医薬品類の水処理プロセスでの分解、吸着、分離挙動」
浦瀬 太郎 東京工業大学土木工学専攻助教授
16:10 - 17:10 総合討論
古米弘明 水環境制御研究センター教授
17:10 - 17:15 閉会の挨拶
国包章一 水環境制御研究センター客員教授
17:30 - 19:00 懇親会