バイオテクノロジーを活用した土壌・地下水浄化に関する国際シンポジウム
"International Symposium on New Aspects of Environmental Biotechnology to Clean Up Contaminated Soil and Groundwater"

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開催記録

 現在、水道分野では、従来の病原微生物指標に加え、病原性とは必ずしも直結しない従属栄養細菌にも注目が集まっている。このような背景を踏まえ、配水管路における微生物再増殖と安全性、指標微生物を用いた高度処理法の評価、生物処理技術などを取り上げ、水道原水から給水末端までの水道システム全体における微生物指標の活用と課題について議論すべく、シンポジウムを企画した。まずはじめに、厚生労働省健康局水道課久保善哉氏より、微生物に関連した水道水質管理の現状について紹介いただき、行政としての取り組みと考え方についてお話しいただいた。国立感染症研究所の遠藤卓郎氏からは、病原微生物による汚染の管理の観点から、微生物指標のあり方について講演いただいた。阪神水道企業団・水道技術管理者・管理部長佐々木隆氏からは、同化性有機炭素(AOC)の浄水過程および送配水過程における挙動について調べた貴重なデータが示され、再増殖との関係についての研究結果が示された。また、本センターと研究協力を行っている東京大学都市工学専攻の春日郁朗からは、生物活性炭における微生物解析、とりわけアンモニア酸化古細菌についての話題提供をさせていただいた。
 今回のシンポジウムでは参加者を30名程度に絞り、講師と参加者との距離を近くし、より活発な議論に参加できることに重点を置いておこなった。このため講演後にランチョンセミナーを行い、さらに議論を深める場を設けた。今後どのような指標に注目するべきかということや、それをどのように実際の水道システムで活用するかということなどを中心に、水道システムにおける微生物指標の課題や、今後の研究の方向性についての活発な議論がなされた。


■期日:2001年9月12日(金)9:30 - 12:30

■主催:東京大学大学院工学系研究科附属水環境制御研究センター

■会場:東京大学山上会館(文京区本郷7-3-1 本郷キャンパス内、三四郎池隣)201・202会議室

■問合せ先:sec-recwet @env.t.u-tokyo.ac.jp、Tel 03-5841-7445 (栗栖、青木)
      (@マークは小文字に変えてください)

プログラム

9:30 - 9:40 開会の辞
水環境制御研究センター長 大垣眞一郎

9:40 - 10:00 「微生物に関連した水道水質管理の現状について」[スライド][講演要旨]
厚生労働省健康局水道課 久保善哉 氏

10:00 - 10:30 「水道システムにおける微生物モニタリングに求められるもの」[スライド][講演要旨]
国立感染症研究所 遠藤卓郎 氏

10:30 - 11:00 「AOC(同化性有機炭素)の挙動と細菌類の再増殖」[スライド][講演要旨]
阪神水道企業団・水道技術管理者・管理部長 佐々木隆 氏

11:00 - 11:30 「生物活性炭処理における微生物群集の構造と機能」 [スライド][講演要旨]
東京大学都市工学専攻 春日郁朗

11:30 - 12:30 ランチョンセミナー
司会:国立保健医療科学院・水環境制御研究センター 国包章一

[質疑応答]