企業からの出資による「社会連携講座」として、新しい学問分野の「下水疫学」を開拓しています。
下水中のウイルス等の病原体を検出することにより感染流行状況を把握し、
公衆衛生の向上に繋げる「下水疫学」を通じ、感染症に強い社会の構築に貢献していきます。
微生物濃縮・RNA抽出キットのCarbon Prep for Wastewater RNA extraction(Life Magnetics社)による下水中の新型コロナウイルスの検出への有効性を評価した論文(筆頭著者:Made Sandhyana Angga JSPS外国人特別研究員)が「Food and Environmental Virology」に掲載されました。
Made Sandhyana Angga, Sunayana Raya, Soichiro Hirai, Eiji Haramoto (2024) Magnetic carbon bead-based concentration method for SARS-CoV-2 detection in wastewater, Food and Environmental Virology, Vol. 17, article no. 8, 2025. https://link.springer.com/article/10.1007/s12560-024-09623-1北島正章特任教授、片山浩之教授らによる、東京2020オリンピック・パラリンピック選手村での下水中新型コロナウイルス濃度と症例の定量的関連性に関する論文がSci. Total Environ.誌より発行されました。
Masaaki Kitajima, Michio Murakami, Hiroki Ando, Syun-suke Kadoya, Ryo Iwamoto, Tomohiro Kuroita, Kiyoshi Yamaguchi, Hiroyuki Kobayashi, Satoshi Okabe, Hiroyuki Katayama, Seiya Imoto (2025) Quantitative association of SARS-CoV-2 in wastewater and clinically confirmed cases in different areas of the Tokyo 2020 Olympic and Paralympic Village, Science of The Total Environment, 96, 178209. https://doi.org/10.1016/j.scitotenv.2024.178209Environ. Sci.: Water Res. Technol.誌に、本誌編集長と北島正章特任教授らによる論説が掲載されました。
Graham Gagnon, Lauren Stadler, Aaron Bivins, Laurent Moulind and Masaaki Kitajima (2025) Wastewater surveillance for public health: Quo Vadis? Environmental Science Water Research & Technology, 11(1), 8-9.北島正章特任教授らによる、下水疫学と数理モデルに基づくインフルエンザA患者数の推定に関する論文がEnviron. Int.誌より発行されました。
Hiroki Ando, Michio Murakami, Masaaki Kitajima, Kelly A. Reynolds (2025) Wastewater-based estimation of temporal variation in shedding amount of influenza A virus and clinically identified cases using the PRESENS model, Environment International, 195, 109218. https://doi.org/10.1016/j.envint.2024.109218
● 感染症対策の最新技術動向をまとめた総説発行(12月2日)
北島正章, 元岡大祐, 小出直史, 村上道夫 (2024) 感染症対策における最新技術動向-感染状況の把握と下水サーベイランスの現在地, CiDER Policy Discussion Paper (CiDER-PDP, 審査なし), PDP008.
https://www.cider.osaka-u.ac.jp/pdp/CiDER-pdp008.pdf
● 日本環境変異原ゲノム学会 第53回大会 にて招待講演(12月7日)
北島正章 (2024) 下水疫学:環境中の病原体ゲノム高感度検出技術の開発と社会実装, 日本環境変異原ゲノム学会(JEMS)第53回大会 シンポジウム2「環境ゲノムモニタリングが拓く未来」, Dec. 7, 就実大学, 岡山.
● 下水サーベイランスの歴史から未来予想した解説が月刊下水道に掲載(12月15日発行)
北島正章, 小林博幸, 岩本遼, 谷戸善彦 (2025) 下水サーベイランスの未来予想図(特集:2050年に向けて大胆予測), 月刊下水道, 2025年1月号, 29-34.
北島正章特任教授、Liu Miaomiao特任助教とバングラデシュ・ラジシャヒ大学による論文がMicrobiol. Resour. Announc.誌より発行されました。
Md. Shamsul Islam, Muhib Ullah Khan, Nusrat Zahan, K. M. Golam Saklain, Miaomiao Liu, Masaaki Kitajima, Md. Hakimul Haque (2024) Decoding the whole-genome sequence of multidrug-resistant Escherichia coli strain Hakim RU_BHWS isolated from wastewater in Bangladesh, Microbiology Resource Announcements, 13(12), e01069-24.国際下水疫学講座のメンバーが 第14回 東南アジア水環境国際シンポジウム(SEAWE-14)(12月3-5日、Wyndham Grand Bangsar Kuala Lumpur, Kuala Lumpur, Malaysia)で下記の口頭発表を行いました。
● H. Ando, S. Okabe, M. Kitajima: "Treatment reduction of SARS-CoV-2 and gastroenteritis viruses in municipal wastewater treatment revealed by the EPISENS-M method"(北島特任教授がポスター発表者)北島正章特任教授が取材に協力した下水疫学調査に関する記事が、読売新聞 に掲載されました。現在13都県17か所の下水処理場で実施。厚生労働省は2025年度、調査地点を拡大し、今年度の1.4億円から25年度の概算要求では1.7倍となる2.4億円を計上。
下水の新型コロナウイルス調査、予算1・7倍要求で範囲拡大…1週間後の流行を予測Clarivate Analytics 社が2024年の Highly Cited Researchers(高被引用論文著者)を発表し、北島正章特任教授が選ばれました。Highly Cited Researchers は過去10年間の各年および研究分野において被引用数上位1%に準ずる論文を複数発表された研究者を対象として選出しており、非常に卓越した業績を持つ限られた研究者のみが選出されます。世界の科学を牽引する科学者のリストとして、毎年発表が注目されております。
詳細は 工学系研究科HP よりぜひご覧ください。
山梨大学、ベトナム・フェニカ大学、東大(北島正章特任教授とAngga研究員ほか)、ハノイ公衆衛生大学による共同研究で、下水処理普及率が低いベトナム・ハノイにおいて、河川水中の新型コロナウイルスを2年間にわたって測定し、下水処理場の代替として河川水を対象とする下水疫学調査の有効性を評価した論文が「Science of the Total Environment」に掲載されました。
Siri, Y., Malla, B., Thao, L. T., Angga, M.S., ... Kitajima, M., ... & Haramoto, E. (2024). Assessment of environmental factors influencing SARS-CoV-2 in Vietnam's surface water across two years of clinical data. Science of The Total Environment, 957, 177449.第61回環境工学研究フォーラム(土木学会・環境工学委員会主催)が11月26〜28日に新潟で開催されます。プログラム(PDF)
口頭発表では、北島正章特任教授が審査付き論文の発表を行います。中祖惟月・羽深 昭・北島正章・木村克輝「処理水に適した低濃度版EPISENS-M法の開発およびMBRによるウイルス除去性能の評価」
北島正章特任教授らは、構造的トピックモデルを用いてさまざまな研究分野における下水疫学に関わるトピックを概観し、その特徴を解明した論文をResults in Chemistry誌で発表しました。
Michio Murakami, Yoshitaka Nishikawa, Masaaki Kitajima (2024) Analysis of research fields involving wastewater-based epidemiology and interdisciplinary spillovers using a structural topic model, Results in Chemistry, 12, 101897. https://doi.org/10.1016/j.rechem.2024.101897Korea Society of Water and Wastewaterによる会議において、北島正章特任教授が下記の招待講演を行いました。
Masaaki Kitajima. Technology Development and Social Implementation of Wastewater-based Epidemiology in Japan. Korean Society of Water and Wastewater (KSWW) Conference, Jeju, South Korea, Oct. 30, 2024.片山浩之特任教授とLIU Miaomiao特任助教は、10月25~28日にかけて中国生態学会微生物生態専門委員会の2024年学術年次総会に参加しました。片山教授は基調講演を、LIU特任助教は様々な研究者との情報交換・交流をそれぞれ行いました。(共同主催した山東大学のニュースも合わせてご欄ください)
また二人は山東大学環境理工学部に招待されて学術討議に参加し、片山教授は招待講演を行いました。